■ 2001/09/27 定例会
 加戸守行 知事
 まず、知事は、小泉総理が断行しようとしている聖域なき構造改革の基本理念についてどのように考えているのか。また、小泉総理に何を期待するのかとのお尋ねでございました。
 小泉総理が断行しようとしております聖域なき構造改革は、21世紀にふさわしい社会経済システムを確立し、日本の再生と発展を目指すために大胆な改革を推進しようするものでございまして、対話を通じて、政策の検討過程を明らかにし、国民の理解と意識の共有を求めていくこととしております。
 こうした基本理念は、時代の変化に的確に対応し、思い切った自己改革を行い、自由闊達で風通しのよい明るくさわやかで活力ある愛媛を創造することを目標として、県民参加による県民主役の県政を推進しております本県の方針にも通ずるものがあると考えております。
 また、構造改革は、日本の将来のために不可欠なものでありまして、小泉総理には強い指導力と実行力で改革を断行していただきたいわけでございますが、特に、地方の自立、活性化に当たりましては、先般の全国都道府県知事会議におきまして改めて総理から表明されました地方にできることは地方にゆだねるという方針を堅持されることを強く期待いたしております。
 次に、県内市町村の合併に向けた取り組み状況と今後の県の支援策を含めた対応方針はどうかとのお尋ねでございました。
 県内では、宇摩圏域及び南宇和地域で任意の合併協議会が設置されておりますが、その他の地域におきましても、上島地域など4地区で関係市町村が共同で研究を進めているほか、ほとんどの市町村が庁内の検討組織を設置いたしております。しかしながら、地域によってかなりの温度差がありますことは事実でございます。
 お話にございましたように、合併の是非を判断するためには、具体的な組み合わせによる合併の効果や課題、地域の将来像を地域住民に示すことが肝要だと思っております。このため県では、これらについての検討の場として、各地方局ごとに検討協議会を設置しておりまして、全市町村が参加しているところでございます。
 この協議会の活動を通じて、地域住民が求めている情報の収集整理と公開が早期に進むことを期待しております。
 また、既に設置されております任意の合併協議会に対しましては、職員を協議会の委員として参画さしておりますほか、近く法定協議会に移行する予定の南宇和郡に対しましては、協議会事務局に県職員を派遣するなどの支援も行う方針であります。
 今後は、さきに示されました国の合併支援プランの具体化の動向も見きわめながら、合併重点支援地域の指定や合併後の市町村の建設に資する事業の優先的な実施などに取り組みたいと思っておりますが、県内各地域の動きに対応して、来年度に向け支援策の拡充についても検討していく所存であります。
 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。
 前田瑞枝 副知事
 環境問題に関しまして、県として、マイバッグ運動に取り組んでほしいがどうかというお尋ねでございました。
 マイバッグ運動は、行政や消費者団体などで組織いたしますごみ減量化推進国民会議が、だれにでもできるごみ減量化と資源の節減につながる活動といたしまして、平成7年度から全国キャンペーンを行っているものでございます。
 県内でも、消費者グループの自主的な活動にあわせまして、大手スーパーなどにおきまして買い物袋を持参した顧客に対してスタンプをサービスし、これが一定数たまりますと換金できるシステムを実施いたしますなどマイバッグ運動の取り組みがなされております。
 県といたしましても、このマイバッグ運動を推進いたしますため、ごみ減量化推進月間のポスターや情報誌リサイクルえひめなどで買い物袋持参運動の普及啓発を行っておりますが、今後、消費者団体や生産、流通業界の代表などで構成いたしますえひめ循環型社会推進会議等で、マイバッグ持参体験モニター制度の創設、スーパー等でのレジ袋をサービスしない運動の展開など具体的推進方策につきまして検討をいただきまして、マイバッグ運動の拡大と定着促進に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 吉崎賢介 総務部長
 県職員の人事交流を積極的にすべしという御意見であります。
 国やほかの県あるいは県下の市町村との人事交流でございますが、これは幅広い人的ネットワークの形成あるいは広範な専門知識の習得など本県職員の行政能力の向上に資するとともに国やほかの県とかあるいは市町村のノウハウを本県の各種事業に活用できるということの点から、県政の推進に寄与するものと我々も考えております。
 このため、四国4県の知事の合意を踏まえまして、香川、徳島、高知の3県との職員相互交流事業、これを開始しております。また、本県同様情報化に力を入れております岐阜県あるいは国の政策研究大学院大学へも新たに職員を派遣いたしております。
 また、先ほど知事から答弁いたしましたとおり、ことしの10月には、県下で初めて合併推進の法定協議会が設置される予定になっております南宇和郡でございますけれども、その事務局がございます御荘町に職員を派遣するなど当面する課題に的確な対応を行って、人的交流の拡大に努めてまいりたいと思っております。
 今後とも県政の重要課題への対応を図る観点から人的交流を推進していきたいと考えております。ただ一方で、厳しい行財政改革を取り組んでいく中で、派遣がどの程度必要かを精査する必要ございます。個々の事案ごとに対応を検討していきたいと思っております。
 御提案の国体開催県への職員派遣でございますけれども、本県の開催準備を進める上で有意義と考えております。ただ平成29年とまだ少し年数もありますので、今後、県の準備体制もこれから構築していかないといけないと思います。特に、教育委員会の準備体制ということで構築していかないといけないと思いますので、その整備の過程で十分検討してまいりたいと思っております。
 以上です。
 武智勝久 県民環境部長
 環境問題についての御質問のうち、まず、平成14年度の国のエコタウン事業の承認に向けた取り組みの状況とその進捗状況はどうか。また、本県のエコタウン構想の概要についての御質問でございました。
 循環型社会を構築していくためには、ゼロエミッションを基調とする環境ビジネスの育成が極めて重要でございまして、本県でもエコタウン構想の推進を14年度の国に対する要望の中で最重要施策として位置づけまして取り組んでおるところでございます。
 幸いエコタウンプランの策定事業に対しまして国の補助が得られましたことから、先般、愛媛大学工学部の稲田教授を委員長とする検討委員会を開催いたしまして、プラン策定作業を進めているところでございます。
 今後、事業主体となります企業、関係市町村等とも協議を重ねながら、事業計画を煮詰めまして、平成14年度に国の承認が得られますよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、本県のエコタウン構想につきましては、廃家電、廃OA機器等リサイクル事業と家電等から出ます廃プラスチックリサイクルとの一体的な事業、それから生ごみを利用したバイオガス化事業、廃プラスチックのマテリアル・リサイクル事業などが核となる見込みでございますが、これらの事業につきましては、事業化の熟度が高く新たな雇用の創出効果もありますことから、廃棄物の再生利用が推進されるだけでなく地域経済の活性化にもつながるものとして期待をいたしておるところでございます。
 次に、県内の不法投棄の現状はどうか。また、県民環境部に配置をされておる現職警察官の実効性と活動状況はどうかとの御質問でございました。
 県内におけます1件当たり10トン以上の産業廃棄物の不法投棄は、過去3カ年では、平成10年度が11件、平成11年度は13件、平成12年度が17件、トータルいたしますと41件でございますが年々増加の傾向にあります。しかし、うち35件が改善されておりまして、残り6件につきましても現在、撤去指導を行っているところでございます。
 また、テレビなど廃家電4品目につきましては、市町村の巡回監視の結果、家電リサイクル法施行後におきましても県下で月に約100台が不法投棄され、市町村が処理している状況であります。
 さらに、昨年4月から廃棄物対策課へ配置をしております現職警察官の効果でございますが、警察との連携強化によります情報収集及び調査活動の充実強化、それから不法投棄者などへの心理的抑止力等が挙げられますが、平成12年度の活動実績といたしましては、78件の不法投棄や野焼などの不適正処理事案を調査指導し、改善済み事案が64件、改善指導中が13件、行為者特定中が1件となっておりまして、不法投棄を初め環境犯罪の未然防止と被害の拡大阻止に大きく貢献しているものと考えております。
 次に、社会全体での環境教育への取り組みの現状はどうか。また今後、県としてどのように取り組むのかとの御質問でございます。
 不法投棄をなくしごみのない美しい自然環境を未来に残してまいりますためには、県民一人一人の環境意識の醸成が重要でございまして、平成12年3月に策定をいたしましたえひめ循環型社会推進計画におきまして、環境意識の高揚を主要施策の柱として位置づけまして、その推進に取り組んでおるところでございます。
 具体的には、情報誌リサイクルえひめの作成配布、新聞社等との共催による環境フェアなど大規模な環境イベントを開催いたしますほか、今年度新たに、エコライフ・サポートルームの開設とエコライフ推進員による、推進員によりますアドバイス、環境マイスター派遣制度の創設によります地域活動グループに対する支援など環境学習の充実と環境意識の啓発に積極的に取り組んでいるところでございます。
 一方、学校教育の面におきましては、全学年を対象に教育活動全体を通じまして環境教育を行っているところでございますが、小学校4年生を対象に漫画パンフレットごみとリサイクル、ごみ問題学習用のCD−ROM、これを作成をいたしまして、県内の小学校に配布するほか、中学校におきましても、ごみ問題を学習教材に取り上げまして実践活動を行っておるところでございます。
 また、高等学校でも今年度から、環境教育推進事業を実施しておりまして、校内ごみの減量化と分別収集の徹底、地域の生活ごみや生活排水の処理状況調査などに学校を挙げて取り組んでいるところでございます。
 県といたしましては、今後とも家庭、学校、地域のあらゆる場で、子供から高齢者までそれぞれの段階に応じた効果的な環境施策を展開いたしまして、県民の環境意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 須賀功 経済労働部長
 まず、県として、雇用の流動化、再就職のための職業訓練の実施及び受け皿となる新規産業の育成などについてどのように取り組むのかとのお尋ねでございます。
 経済、産業構造が大きく転換する中で、労働移動が増加し失業率が高どまりすることが懸念されており、円滑な再就職を促進する上で職業訓練の重要性が一層高まってくるものと考えております。
 このため県におきましては、訓練ニーズが多いIT化関連科目等の定員増や内容の高度化を図るなど訓練の充実に努めてきたところでございますが、さらに現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえまして、9月補正予算におきましてIT関連訓練科目の定員追加と事務系科目の新設を行うこととしたところでございまして、今後とも労働力需給の動向を的確に把握しながら、これら訓練を効果的に推進し、円滑な再就職を図ってまいりたい、このように考えております。
 また、新規産業の育成につきましては、アクティブベンチャー支援事業や新事業創出支援資金などの活用によりまして、新技術、新製品の開発、販路開拓等を積極的に支援し、新しい企業の創出に努めますとともに企業誘致制度の拡充や誘致活動の強化によりまして、新規産業の立地に積極的に取り組んでいるところであり、今後ともこれらの施策の充実強化を図りながら、雇用の創出と地域経済の活性化に努めてまいりたい、このように考えております。
 次に、産業情報総合ネットワークの利用促進にどのように取り組まれているかとのお尋ねでございます。
 県におきましては、高度な情報基盤整備によります本県産業の情報化や活性化を促進するために、産業情報総合ネットワークをことし4月から本格稼働させ、お話の電子相談システムを初め、販路開拓等のための企業戦略支援地図情報や人材育成のための教育用映像ソフト等を配信する研修システムなど各種システムを提供しているところでございます。
 さらに県内中小企業が日々日々進展する情報技術に的確に対応できますよう、新たにネットワーク経由によるグループウエアや企業間電子商取引等の業務用ソフトを提供する中小企業IT導入支援システムを整備中でありますほか、商工団体と連携し、それぞれが蓄積している情報を一元化する企業情報総合データベースの構築も進めているところでございます。
 今後とも産業情報総合ネットワークの利用促進のため提供システムの拡充強化やブロードバンド化に対応できるネットワークの基盤強化に努めますとともに時代の変化や企業ニーズに即した情報化支援に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
 以上でございます。
 吉野内直光 教育長
 学校において、総合的危機管理能力の向上を目指した教育が必要と思うがどうかとのお尋ねでありますが、各学校におきましては、学習指導要領等に基づきまして、幼児、児童生徒が事故災害の現状、原因そして安全な行動の仕方、そういったものについて理解を深め、安全に行動できるようにする。また、日常生活の中に潜むさまざまな危険を予測し、常に的確な判断のもとに安全に行動できるようにする。さらに、自他の生命を尊重し、学校、家庭、社会それらの安全に進んで協力し貢献できるようにする。こういったことを目標にしまして、保健体育やホームルーム活動など教育活動全体を通じて指導を行っているところでございます。
 県の教育委員会としましては、池田小学校の事件や芸予地震等の災害の経験をもとにしまして、今回新たに作成いたします実践事例を盛り込んだ学校安全の手引きこれを活用しますほか、教員研修会の実施これらを通じまして、教員の危機管理能力を高めまして、防災教育や交通安全教育など総合的危機管理能力の向上を目指した教育の推進を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 安原敬裕 警察本部長
 まず、国に対し警察官の増員を強く働きかけてほしいがどうかという問いでございます。
 御指摘のように現在の警察官定員では、質量ともに増大する警察事象に的確に対応するには、既存の組織の見直し、合理化といった内部努力のみでは、もはや限界に達しておるとこう認識しております。
 昨年7月に出されました警察刷新会議の緊急提言、この会議は弁護士の中坊公平さんあるいはアサヒビール名誉会長の樋口廣太郎さん等6名のメンバーで構成されておりますが、その提言の中でも、我が国の警察官1人当たりの負担人口は全国平均で556人、欧米諸国の300から400人と比較し著しく高い。当面、警察官1人当たり負担人口を500人程度となるまで増員する必要があると指摘しております。
 国の警察庁では、この提言を踏まえ計画的な増員を行うこととし来年度平成14年度は、全国規模で5,000名の増員を概算要求しているところであります。
 愛媛県警察の警察官1人当たりの負担人口は683人であり、全国平均の556人を大きく上回っております。したがいまして、来年度予算で増員が認められる場合には、ぜひとも本県に配分されるよう警察庁に対し強く要望しているところであります。
 ところで現在、先ほどの米国の同時多発テロに際します被害者の救援と復興の陣頭指揮に立って活躍しておられますニューヨークのジュリアーニ市長でありますが、治安悪化に対処するために、1994年の就任後に警察官を3万人から4万人へと1万人強の増員をしたところ、殺人、傷害といった犯罪件数がその後の4年間で半分以下に減少したという実績があります。安全はただでは買えないということの具体例として示唆に富むものであり、参考にしていただけたらとこう考えております。
 2点目でございますが、県民の体感治安の悪化の要因は何か。犯罪の未然防止を図り県民が安全安心を肌で実感できるような対策をどのように講じているのかという御質問でございます。
 御指摘のいわゆる体感治安の悪化についてでありますが、その主たる要因は、やはり御指摘にございましたように、近年における犯罪発生件数の増加、凶悪化とその一方での検挙率の低下等があると考えております。
 まず、発生件数を見ますと、刑法犯認知件数ことしの上半期は、全国的には過去最悪、本県でも過去10年間で最悪の状況となっております。その内容もひったくり、ストーカーといった我々の生活に極めて身近な場所での事件が増加するとともに少年事件の深刻化あるいはことし6月の大阪府池田市で発生した小学校での無差別殺人事件といったように因果関係がはっきりしない凶悪事件が発生している。あるいはさらには在日外国人による組織犯罪あるいはコンピューターを利用したサイバーテロといった、これまで我が国にはなかった全く新しいタイプの犯罪構造が出現しております。これらの事象に全体的な検挙率の低迷が相互に作用し合うことにより、県民の治安に対する不安感が増加しているものと考えております。
 その検挙率につきましても、本県のベースで見ますと、殺人、強盗といった凶悪犯罪の検挙率は本県は92%、全国的に極めて高い水準にありますが、発生件数の大半を占めます窃盗犯、これを含めますと全国平均の検挙率19%台をやや上回っておりますが本県は23%台、遺憾ながら年々低下している状況にございます。これは犯罪の広域化、巧妙化等のために、その捜査に要する時間と労力が従来に比べて非常に長くなっていること、また増加し複雑多様化する犯罪の発生を初めとして増大の一途にある警察事象に対処をするためには、さきの警察官の増員問題とも関連いたしますが、限られた警察力が分散せざるを得なくなっている。こういった要因が複合的に作用しているものと考えております。
 次に、県民が安全安心を肌で感じる社会を構築するためにどうするかという点につきまして、警察では、犯罪を発生させないという防犯活動と発生した犯罪は迅速、的確に検挙するという捜査活動を車の両輪として積極的に推進しております。
 まず、防犯活動につきましては、地域警察官、交番、駐在所の地域警察官によるパトロール活動の強化、警察安全相談への親身な対応等とあわせまして、地域住民のボランティアや学校あるいは市町村等の関係機関と連携協力することにより、近年その低下が著しい個々人の規範意識あるいは地域の防犯機能の向上、回復に向けた取り組みを図るとともに、自分の安全は自分で守るという意識の徹底、あるいは街路における防犯灯の整備、公園等における死角の排除、集合住宅における防犯施設の整備といった町全体を犯罪に遭いにくい構造に変えていく、こういったことが重要であり、そのための施策を強化しているところであります。
 また、警察自体の防犯活動あるいは捜査活動を強化するために、装備資機材の近代化や一般職員の警察官への振りかえ、警察OBを活用した空き交番の解消、また管理部門の警察官を削減してできるだけ現場部門に配置転換すると、こういったいわば現場執行力の強化に努めております。例えば、今年4月からは、松山東署に37名体制の路上犯罪対策隊を設置しております。また、南署にも27名体制の安全安心推進隊を設置したところであります。そして県あるいは市町村との連携強化を図るために、従来から、知事部局に対しては現職警察官を出向さしておりますが、本年からは松山市にも出向さしたところでございます。
 今後とも以上申し上げました諸対策を関係機関との連携のもとにこれまで以上に強力積極的に推進し、安全安心を肌で感ずる21世紀の愛媛の実現に力を尽くしてまいりたいと思います。
 以上です。