■ 1999/12/08 定例会
21世紀に向けた県政の指針について
産業振興における目抜き白地地域の指定解除について
障害者職業能力開発校の四国への設置について
県直轄の流域下水道整備の推進について
スポーツ立県に向けての今後の施策について
 前文
 県議として8カ月目を迎え、県民の負託にこたえるべく先輩県議初め理事者等皆さん方の指導のもと、明るくさわやかで活力ある県政づくりに邁進してまいりたいと考えております。
 さて、私は先般、本県とも関係の深い新渡戸稲造博士生誕の地盛岡を訪ねてまいりました。
 博士は「太平洋の橋」という大きな志を抱き23歳にして渡米し、急激な国際情勢が変化していく中で力強く生き抜いてこられ、古い歴史と同質の文化を持ち、アジアの端に位置する日本と大陸にまたがりヨーロッパを祖とする人種のるつぼアメリカとの間の溝を埋めるべく友好の橋をかけられたのです。
 壮大な理想を掲げ、国際主義者であり、人種や皮膚の色、信条を越えて世界の多くの人から心からの尊敬を得た博士は、常々、平均的な日本人の考え方を西側に紹介することを実践し、また、日本は外国から理解されるだけでなく、さらに大切なことは、日本は欧米の文化を理解しなければならないと語り、現在も、岩手県において新渡戸稲造博士の思想が脈々と息づいていることに感動いたしました。
 私自身も大志を抱き、初心忘るべからず、広く社会を見ることを大切にしてまいる所存でございます。
 それでは、以下質問に入りますので、知事初め理事者の明快な御答弁をお願い申し上げます。
 1.21世紀に向けた県政の指針について
 まず初めに、知事の21世紀に向けた県政の指針についてお伺いいたします。
 知事は本年10月から、一般県民を対象に「こんにちは!知事です」を実施され、県民の要望を直接みずからの耳で聞き、これからの県政のあり方について直に話し合いを行うなど、県民との対話を常に求めるという公約どおりの積極的な取り組みがなされておられます。また、本日の横田議員の質問に対し、故事を引用され前向きなお考えを聞かせていただき、意を強くさしていただきました。また一方では、職員相互の自由闊達な論議を盛んにし、伸び伸びとした職員風土の醸成を目指して若手職員の提言をくみ上げながら、新しい施策づくりにつなげようという試みを始められていると伺っております。
 この特定重要新施策の推進については、副知事を本部長とし、1点目、県民の県民による地域づくり、2点目、愛媛広域文化交流基盤整備構想、3点目、高度情報化の3つの庁内プロジェクトを編成し、全部局を横断的かつ有機的に機能させる試みがなされ、関係市町村の注目を集めております。新しい大地に種をまき、根を張り、今まさに芽が吹こうとしております。
 例えば、広域文化交流基盤整備において、旧別子銅山を貴重な産業遺産と位置づけ、県民の学習の場として活用してはいかがかといった議論もあるように聞いております。
 そこでお伺いいたします。
 これらのプロジェクトの推進状況と今後の予定をお示しください。
 2.産業振興における目抜き白地地域の指定解除について
 続きまして、新長期計画についてお伺いいたします。
 これまで県の長期計画は4回作成されておりますが、この間、我が国の経済は、昭和30年から40年代にかけ所得倍増計画を契機とする高度経済成長時代が続き、昭和40年代後半には安定成長期へと移行、その後は、2度にわたるオイルショックやバブル景気とその崩壊などを経験しながらも、人口を初め県内総生産や県民所得は順調に伸びてまいりました。
 しかしながら、第5次となる今回の長期計画は、長期にわたる経済の低迷、失業率の上昇、少子高齢化の進展に加え、県民ニーズの多様化など先の見えにくい大変難しい時代を背景として策定されることになるだけに、長期計画に対する県民の期待も大きいものがあります。
 そして、このような大事な計画であればこそ、できるだけ多くの県民の生の声を聞き、それを生かし、県民の目線に立った政策づくりと愛媛に住んでよかったと思えるような県づくりを目指してほしいと思うのであります。
 そこで長期計画の現在の策定状況をお示しください。
 続きまして、地方分権の推進についてお伺いいたします。
 今回の地方分権改革の最大の特徴は、機関委任事務の廃止や広い意味における国の関与の見直しを通じて、地方自治体が自主的、自立的に仕事ができるようにすることに重点が置かれたことにあると言われております。
 これまで地方自治体は、国から通達や許認可、補助金等によりさまざまな形での関与を受けてまいりましたが、このような関与が廃止・縮減され、国と地方がこれまでの上下・主従の関係から対等・協力の関係へと改められることとなります。
 したがって、国は、今までのように地方に関与し地方をコントロールすることに腐心するよりも、世界の中での日本のあるべき姿、また、いかに世界のリーダーになるべきかを真剣に考えることに重きを置き、地方の自主性、自立性が十分に発揮できるような制度づくり、環境づくりを行っていくべきであると思います。
 私は、地方分権の推進は、我が国の地方自治にとって、これまでの中央集権的な行政システムからの転換を図るという意味で、重要なターニングポイントにあると思います。したがって、分権という言葉ではなく、地方主権、住民主権、中央政府に対する地方政府の樹立と言いたいと思います。まさに知事の言う県民の県民による県民のための県政の実現であります。
 私は、行政執行、政策決定への住民参画こそが質の高い自治体を構築する手段であると考えます。これからの自治体は、政策決定の場に住民が参画し、住民が望むものをどのように実現していくかが問われることとなると考えます。すなわち官と民の役割分担などをともに考え、決定するシステムの構築が、今後ますます重視されなければならないと痛感しております。
 そこで県は、今後、地方分権の時代にふさわしい住民参画型の行政システムの構築にどのように取り組まれるのか、その方向性と手法について基本的な考え方をお示しください。
 次に、県の権限委譲をどのように進めていくのかという点についてであります。
 今回の地方自治法の改正により、県が市町村に権限を委譲するための制度として、条例による事務処理の特例制度が創設されました。
 県においては、これまでも市町村への権限委譲を積極的になされてこられましたが、今回の大改革を踏まえ、県民の目線に立って、県と市町村との間の事務再配分を行っていただきたいと思います。
 そこで県は、今後どのような方針で権限委譲を行っていかれるのか、お伺いしたいと思います。
 質問の第2は、経済活性化における工業再配置促進法に関し、目抜き白地地域の指定の解除についてお伺いいたします。
 東予地域は、これまで大型企業誘致がなされてまいりましたが、このことは自治体の財源のみでなく雇用の拡大が図られており、町の活性化の大きな原動力となっております。
 昭和40年代に入って経済の高度成長が続く中、過密過疎が一段と進み、都市の公害問題、用地不足等で工場立地が困難となり、昭和47年、均衡ある国土の発展を見据え、工業再配置促進法が制定されました。同法では、工業集積の程度が低く、かつ人口増加率の低い本県を初め27道県及びその周辺地域を誘導地域に指定して、工場立地や3大都市圏からの工場移転の促進を図っておりますが、誘導地域の中でも、人口、工業集積度等により一定基準以上にある全国8市は、目抜き白地地域として補助金、税制等の工業誘致施策が適用されておりません。
 私の地元新居浜も、昭和45年当時、人口が12万6,000人、工業集積度4.72で、人口が10万人以上20万人未満で工業集積度が3以上との基準に該当していたため、全国8市のうちの1市として目抜き白地地域となっているのであります。
 しかしながら、その後の国際情勢また経済環境の急激な変化により、平成7年現在における工業集積度は2.3程度と推定され、むしろ地域経済の空洞化の進展等、経済基盤が弱体化しつつあり、目抜き白地地域の設定は現状に合わなくなっているのではないかと考えます。
 そこでお尋ねいたします。
 このように現状に沿わなくなっていること、また、企業が当地に進出するに当たり、他地域と比べ企業立地の優遇措置に劣ることを考慮いたしまして、早期に目抜き白地地域の指定解除に向け国に働きかけていただきたいと思いますが、理事者のお考えをお伺いいたします。
 3.障害者職業能力開発校の四国への設置について
 質問の第3は、本県における障害者の職業能力開発についてお伺いいたします。
 現在、我が国の障害者の総数は576万人で、身体障害者318万人、知的障害者41万人、精神障害者217万人と推計されております。1996年の身体障害者の実態調査によると、在宅者293万人のうち1、2級の重度障害者が全体の43.2%であり、1991年は40.1%であったのに比べ増加をしております。高齢化とともに近年の労働災害、また、交通事故等の多発により中途障害者となるケースも増しております。
 国の障害者プランが1996年より7カ年計画で実施されており、基本的な考え方は、生涯のすべての段階において全人間的復権を目指すリハビリテーションの理念と、障害を持つ人、持たない人も住みなれた地域社会で生活し活動する、いわゆるノーマライゼイションの理念の推進を図ることとなっております。
 本県におきましても、愛媛県障害者計画を策定し、障害者の地域生活を支える在宅サービスの充実や相談、支援体制の整備拡充が図られております。
 また、雇用の場の創出支援におきましても、養護学校、ハローワーク、愛媛障害者職業センターが関係機関と連携し、取り組みがなされておると聞いております。職業的自立を図るためには、企業の理解と受入体制の整備、また、就労者が技能を身につけるための訓練等支援体制の2点が車の両輪であると考えます。
 障害者の雇用率は、平成10年7月1日より1.8%施行が法定雇用率であり、全国平均1.49%に対し本県は1.59%と全国平均よりもよいものの、56人以上の企業630社のうち未達成企業が266社と、さらなる推進を図らなければならないと考えます。このようにいざ社会に出るとなれば、就職面においてもっと積極的な取り組みが必要ですし、また、特に近年の不況により弱者である障害者がリストラされているという現実があります。
 そこで職業能力開発促進法に基づき、障害者に対し、職業に必要な知識や技能を計画的に習得させ、障害者の職業の安定と自立を図るとともに経済及び社会の発展に寄与する人材を養成することを設立の目的とした障害者職業能力開発校が全国に19校設置されております。
 私は、このほど障害者職業能力開発校の1つである国立吉備高原職業リハビリテーションセンターを訪問する機会を得ました。
 同センターでは、機械製図科や建築設計科、情報処理科等が設置され、特に、重度身体障害者1、2級の生徒が入所され、すべての入所者がノーマライゼーションの理念のもと、実社会に出てともに働くためのより高い技術を身につけるため真剣に受講されている姿を見学し、現実の厳しさとともに就労することへの意欲を感じました。施設には寮が完備され、重度障害者も自立を目指し介護なしで寮生活を送り、車いすで入所した人が松葉づえ歩行ができるようになったり、介護なしで生活できなかった人がすべて身の回りのことは自分で行い、技術習得とともに生活力が向上していることを目の当たりにいたしました。
 また、センターでは、職業評価、職業指導、職業訓練、就職支援その他のフォローアップまでのサービスシステム化がなされており、開所以来、入所者の就職率は87.3%と高い水準にあります。
 研修後、入所者とお話する機会がありました。障害を持つことは特別なことではなく、いつだれが一瞬の事故によりそのときより障害者としての生活が始まるかわかりません。まず、心のケアから始まり時間のいやしがあり社会復帰するためには、障害に適応した訓練が必要であることを教わり、同時に県民一人一人が自分のこととして真剣に考えねばならないことを痛感いたしました。
 しかしながら、四国には当能力開発校がなく、障害を持つ人が最大限気力、体力、知力を生かすことのできる施設が保護者の目の届くところに必要です。施設づくりは、社会の義務であり障害者の権利であると考えます。
 そこでお伺いいたします。
 四国は一つの理念のもと、知事が各県知事との連携を密接にとられていることに期待し、障害者職業能力開発校を四国に1校設置されるよう国に働きかけていただきたいのですが、お考えをお聞かせください。
 4.県直轄の流域下水道整備の推進について
 質問の第4は、環境に配慮した流域下水道の整備についてお伺いいたします。
 ことし11月、県議会警察経済委員会において、帽子委員長のもと岐阜県に研修に行ってまいりました。
 木曽川本流に川と遊びながら学ぶことのできる我が国初の環境共生型公園「河川環境楽園」の整備がなされておりました。そこで我々が子供のころよく目にした川辺の風景とダブらせながら、多くの水をたたえゆったりと流れる木曽川、ついはだしで川に入りたくなるような生きた川との触れ合いがありました。
 ところで岐阜県では、木曽川右岸流域下水道整備が図られ、木曽川及び長良川流域4市9町の汚水を広域的に処理し安全で安心して親しめる水を流しており、その処理水がこの環境楽園にも流れ込んでいるとのことでした。
 翻って、本県の下水道事業について見てみますと、県下の下水道整備は、全国平均にも至らず後進県と言っても過言ではないと思います。下水道整備は、トイレの水洗化、浸水対策、水質保全など多くの整備目的を持つにもかかわらず、処理人口普及率を唯一の指標のごとく普及率を一途に追求してまいりました。21世紀の新たな下水道には、良好な水循環を創造し県民の豊かで潤いのある生活を構築するという高邁な理想を実現したいものであります。
 ところで2000年4月には、地方分権一括法が施行され、下水道事業の認可はかなりの件数が都道府県に委譲され、また、補助金の中で一定のものは、これまでのように国が箇所づけを行わず、市町村が主体に実施箇所を決めることになります。
 申すまでもなく環境問題、特に廃棄物に係る対策は、地域レベルから地球環境レベルまで重要な問題となっておりますが、下水道もその中で大きな役割を担っております。このような状況の中で、これからの下水道整備は、県の指導力が肝要であると考えます。
 そこで申し上げたいのは、県直轄で流域下水道事業を実施してはいかがでしょうか。四国の他の3県では流域下水道事業を推進され、全県的な環境改善に取り組んでおられます。
 世界に誇れる景観を有する瀬戸内海の環境保全はもとより、県下各市町村で整備が進んでおる公共下水道事業においても、雨水整備と河川事業とのかかわり、さらには身近な潤いを感じられる良好な水辺環境の整備など次世代への課題は多大なものがあります。
 県直轄の流域下水道事業の推進について、どのようにお考えでしょうか。
 5.スポーツ立県に向けての今後の施策について
 最後に、スポーツ立県に向けての今後の施策についてお伺いいたします。
 加戸知事は、公約であるスポーツ立県構想を重要施策として掲げられ、実施に向け力強く推進されておりますことに対し、期待と大きな夢を抱く者の一人です。
 少子高齢化時代を迎え、介護保険また少子化対策等県民ニーズの多様化も相まって、さまざまな対応が必要となっております。中でも長寿社会の実現に向け、元気で長生きできる社会環境づくりが大切であると考えます。
 欧米では、一生涯をスポーツに親しみ、生活の一部として、また、楽しさを満喫しさわやかな汗と地域の連帯、そして年齢を問わず集える場づくりが実践されており、これこそがスポーツの原点であると考えます。
 本年の県政に関する世論調査によりますと、スポーツ振興対策の要望として多いのが公共スポーツ施設の充実であり、また若者は、スポーツクラブなどの実践団体の育成を望んでおります。スポーツフォアオールの実現には、地域住民の技術、年齢、種目を問わず、住民がだれでもそのニーズに応じてスポーツを行うことのできる総合型地域スポーツクラブの育成が欠かせないと考えます。
 現在、文部省体育局生涯スポーツ課では、総合型地域スポーツクラブの育成を積極的に推進しており、全国各地においてさまざまな取り組みがなされておると聞いております。本県の取り組みについてお考えをお聞かせください。
 第2点目は、教職員の特技を考慮した適正配置についてお伺いいたします。
 指導者の育成のうち、現実には日本では、スポーツ指導者の多くは学校教員に頼っていると言っても過言ではないと思います。教員の特技や得意分野をスポーツに限らず自己申告させ登録することにより、教員の自己啓発と資質の向上また文化体育の振興に必ずや役立つものと考えます。また、特色ある学校づくりが図られるものとも考えます。
 教員バンク的なものをつくり適正配置を考えてはいかがかと思いますが、本県の取り組みをお伺いいたします。
 第3点目は、国体誘致を見据えた施設整備についてであります。
 我が国最大の国民スポーツの祭典である国民体育大会も54回を数え、ことしは熊本で開催されました。
 この熊本国体を振り返ってみますと、熊本県民みずからが大会を成功させるべく心を一つにして頑張っておりました。さきの台風18号のつめ跡が残り電柱が至るところで傾き、家々の屋根にはブルーシートが張られ、いまだ修理もままならない状況の中で、国体単独開催最多の7,000人の選手監督を民泊で受け入れ心より歓迎する気持ちに触れ、国体は選手のみでなく何らかの触れ合いを持った人々の心に残り、勇気と感動を共有できるすべての人が主役であることを感じました。また、県民総参加の大会、選手相互の交流と競技、選手と県民の交流がよく相まって初めて意義ある大会となることを学びました。
 国体は、単なる一過性のスポーツイベントとしてではなく生涯スポーツの定着や地域の振興、未来につながる大会として開催すべきであると思います。
 現在本県でも、国体を誘致しようと言われておりますが、愛媛国体の開催を見据えた施設整備を図る上で考慮をしなければならないことは、地域の均衡ある整備であると思います。
 これまでの県の施設の配置状況を見ますと、ほとんどの教育、文化、福祉等さまざまな施設が松山市及びその周辺地域に整備されてまいりました。確かに東西南北に長いという県土の特質もあり、交通網が集中し人口の3分の1を占める松山市を中心とし施設が立地するのは、有効活用の観点からもやむを得ないと考えます。
 しかし、今日、東京への一極集中の是正が国土政策の大きな柱になっておりますように、地方にあっても、地域間のバランスのとれた県土の振興に向け政策的に誘導していくことが重要ではないかと思うのであります。加えて、高速交通網の整備の進展とともに県内地域間の地理的、時間的な格差は、次第に解消されつつあります。
 したがって、今後は、これまでの高度成長の恩恵に浴することの少なかった地域こそ、県が優先的に施設整備を行い均衡ある発展を目指していただくことを期待するものです。
 そこでお伺いいたします。
 これから愛媛国体を見据え、施設の一極集中は避けるべきであると考えますが、地域の均衡あるスポーツ施設づくりについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 なお、私自身開会式で愛媛選手団455名の堂々の入場行進を見て胸を熱くいたしました。また、愛媛選手団に対し加戸知事が現地で、現在は本県は、天皇杯、皇后杯とも低迷しておるが、毎年2位づつ上昇するように頑張れば、愛媛国体時には上位にあると思う。選手の頑張りに期待するという言葉があったと聞き、知事の長期的視野と地に足のついた着実なスポーツ行政が今後とも継続されるよう期待いたします。
 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。